小津和紙の歴史は、小津清左衛門長弘から始まっています。
承応二年(1653年)8月9日、長弘29歳のとき、江戸大伝馬町一丁目に店を構えました。屋号を小津屋とし、家印は「△に久」(うろこきゅう)としました。小津屋と名乗ったのは、同じ伊勢松坂の出身で平素から親しくしていた小津三重郎の「小津屋というのは店が繁盛する、めでたい名だ。」という熱心なすすめによるものです。 長弘はこのときから小津屋清左衛門、あるいは小津清左衛門を名乗ることとしました。
時代 | 西暦 | 和暦 | 出来事 |
江戸 | 1653年 | 承応2年 | 小津清左衛門長弘が、江戸の商業地大伝馬町(現 本社所在地)に紙問屋「小津清左衛門店」を創業。 |
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1698年 | 元禄11年 | 清左衛門長生が大伝馬町に木綿店を創業。 | |
1755年 | 宝暦5年 | 紀州藩松坂御為替御用に加わる。江戸表において御為替御用を命ぜられる。 | |
1784年 | 天明4年 | 清左衛門長保が向店「大橋屋」を開業し、茶、下り鰹節も取り扱う。 | |
1822年 | 文政5年 | 紀州藩松坂札発行に参加を命ぜられ、銀札会所御用をつとめる。 | |
明治 | 1868年 | 明治元年 | 清左衛門長柱 商法会所元締頭取となる。 明治時代の店舗(小津清左衛門店)
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1869年 | 明治2年 | 清左衛門長柱 通商司為替方頭取、開墾会社総頭取、東京為替会社総頭取となる。 | |
1880年 | 明治13年 | (有)東京洋紙会社の事業を引受け、「小津洋紙店」(資本金10万円)に商号を変更。 | |
1886年 | 明治19年 | 木綿問屋仲間と提携して、「東京紡績会社」(資本金50万円)を設立。 | |
1886年 | 明治32年 | 「小津銀行」(資本金10万円)を三重県松阪に設立。 | |
1903年 | 明治36年 | 日本細糸紡績会社の工場を買収、「合名会社小津細糸紡績所」を設立。 | |
大正 | 1920年 | 大正9年 | 武林洋行を吸収合併して、「小津武林起業株式会社」を設立。 |
1923年 | 大正12年 | 関東大震災。 | |
昭和 | 1927年 | 昭和2年 | 金融恐慌により小津銀行、四日市銀行(現 三重銀行)と合併。 |
1929年 | 昭和4年 | 法人組織化するため、「合資会社小津商店」を設立。 合資会社小津商店
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1939年 | 昭和14年 | 経営の近代化をはかり、「小津商事株式会社」を東京市日本橋区(現 本社所在地)に設立。 | |
平成 | 1994年 | 平成6年 | 4月 「小津家文書」、中央区民有形文化財に登録。 |
1996年 | 平成8年 | 松阪市 小津家住宅を「松阪商人の館」として公開。 | |
1998年 | 平成10年 | 小津史料館を開設。 | |
1999年 | 平成11年 | 4月 「小津商店江戸店 営業関係用具類」、中央区民有形民俗文化財に登録。 | |
2012年 | 平成24年 | 1月 小津史料館、中央区まちかど展示館に認定。 |